今回は「YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」の読書ログです。
ブクログもやってます。よければご覧ください~。
ざっくり感想
最初に時間とはいったい何なのかについて再定義し、その後本書オリジナルの診断で自分の時間タイプを知ります。そのタイプ別に各々にあった時間術の提案をしてくれ、最後にそもそも時間とどう付き合っていくべきかについて教えてくれる、という構成の本でした。
著者の論文読破数がものすごいですが、そこで得た学びを非常に平易に本書で記載しています。また、診断タイプによってはひとまず読み飛ばせる箇所も多いため、比較的サクッと1周読めます。
ただ、この本で紹介されているタイムマネジメント法はどれも有名なものが多いです。そのため、時間術を知る目的だけで本書を読んでもあまり実りはないかもしれません。それよりも、時間とはなんなのか、どうやって向き合うべきかについて一度考えてみる機会を得たい人におすすめします。
3つの気づき
本書を読んで得た学びは次の3つでした。
- 時間というのは存在せず、感じたことに時間という概念を当てはめているにすぎない
- minに合う時間術は、タイムボクシングとタイムログ・アドバンス分析
- タイムマネジメント法に固執するより、何かの行動の増減を意識するほうが満足度が高まる
時間の再定義
最初っから衝撃でした。物心ついたころには機械式の時計に囲まれ、過去と現在と未来という概念が当然のものとして受け入れられている現在に生まれたminにとって、時間は当たり前に存在するものなので。
でも確かに、よく考えてみれば時間って、時計とか、周囲と自分の関係性とか、周囲のモノの移り変わりでしか実感できないものです。なるほど、、、
じゃあ人間はどうやって時間というものを認識しているのかというと、現在があり、思い出したもの・感じたものに時間という概念を当てはめることで認識しているそうです。
この定義を聞いたところで、自分にある時間感覚はそう変わるものではありませんし、だから何だという気持ちになるかもしれません、でも、もし本当に時間がただの感覚にすぎないのなら、捉え方次第で、時間に追われる感覚だったり、「年月が過ぎるのが早い。。。」という感じ方を変えられるのかもしれないな、という希望が持てました。
タイムボクシングとタイムログ・アドバンス分析
この2つのタイムマネジメント法は、本書の診断でminに合っているとお薦めされた方法です。もうご存じの方もおおいかもしれませんが、改めて自分なりに説明してみます。
タイムボクシング
パンチし合うほうのボクシングではありません(minは名前をみて勘違いしました笑)。
タイムボックスを切る、という意味でボクシングなんだそう。
具体的な方法としては以下のようになります。
- タスクのゴールを設定する
「15分で部屋を片付ける」のように時間基準で設定したり、「14日で記事を14本書く」のように物量基準で設定してもいいみたいです。注意点としては、数値化できるものがいいみたいです。
2. 逆算して時間を設定する
たとえば14日で記事を14本書く、というのがタスクなら、1日で1本ずつ記事を書いていけば良いです。
この1本を1日のうちどの時間で書けばいいのかを考えます。社会人であれば、仕事や通勤時間・身支度や家事を考えると、記事の執筆に充てられるのは夜の2時間だけかもしれません。これら必須事項について先にカレンダーアプリ等にスケジューリングしていきます。最後に先ほどのタスクをこうしていつ取り組むのかを決めて記録していきましょう。
3. 結果をふりかえる
あとは計画通りにタスクをこなしていき、1日の最後に反省します。
具体的なポイントとしては、予定通りにいったものといかなかったものを洗い出します。なぜその結果になったかを考え、最後に次の日の分をスケジューリングしていきます。
以上を繰り返すだけです。
この方法は、いわゆる見積もりが苦手な人が感覚を改善するために使えるそうです。
タイムログ・アドバンス分析
具体的な方法としては、まず1週間、仕事のタスクから睡眠やSNSなどの余暇まで、タイムログをつけていきます。
次に、ログの中身をカテゴリーに分け、それぞれのカテゴリーにかけた時間を総計します。ちなみに、カテゴリーは10~15種類程度に分類するのがいいのだそうです。最後に無駄だと考えた時間を判断し、繰り返さないための対策を立てます。
この方法は、自分の記憶を楽天的・肯定的なバイアスをもって考えることで、同じ失敗を繰り返す傾向がある人に向いているそうです。無駄を見える化することで、必要以上に肯定的に捉える部分をつぶしていくことが可能になるのだとか。
タイムマネジメントそのものより、何らかの行動の増減を考える
著者によると、タイムマネジメントというのはあくまでも対症療法的な方法でしかないそうです。先ほども書いたように、時間はそもそも存在しないのだから、効率的に使おうとしたり生産性を上げようとしたりする対象として考えること自体がよろしくないのです。
でも、時間に追われる感覚だったり、時間が早く過ぎるような感覚のもと人生の満足感が下がってしまう状況は改善したいもの。
じゃあどうすればいいのかというと、人生において重要だと感じる物事や、敢えて明確な答えを出しづらいものに取り組むことで、人生に対する満足感を上げていくようにすることを著者は提案していました。
たとえば、重要だと感じる物事を考え直すために生きがいチャートを作成してみるのが1つの方法です。作成したら、実際にチャートに従って意思決定をしていくことで、満足感を上げていきます。
また、純文学を読んでみたり、芸術をじっくり鑑賞すると、ゆったりした時間を楽しめるようになるそうです。これは、情報が氾濫している現代で注意力や考える力がすり減っていく現代人にとって、興味を持つ対象を広げたり、果てには創造性を高めることにも役立つのだとか。
そうやって、時間をいかに有効に使うかという考え方から、どう行動するかという方向にシフトしていくと、人生の満足度が高まるんだそうです。
さいごに
結局、時間術を使う目的は、生産性を上げて満足度を上げていくことになります。だったら、その目的達成のために時間術以外の方法もあるんじゃない?と投げかけてくれるのがこの本だと感じました。
幸い、今は以前ほど時間に追われている感覚はminにはありません。この状態を今後も維持するためにどうしたらいいのか、ということを考えていくきっかけにしたいです。
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