今回は「『静かな人』の戦略書: 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法」の読書ログです。
2023年10月以降に読んだ本はブクログの本棚に記録しています。よければご覧ください~。
ざっくり感想
本書では、静かな人イコール内向型と位置付けています。
いわゆる「内向型」の人がどうやってこの社会を乗り越えていくか、という観点で書かれた戦略書です。基本的にはビジネスシーンに主眼を置いた構成になっています。
この本の著者は、生きていくうえでコミュニケーションや社交は切り離すことのできないもの、と捉えています。そのため、そこを避けるのではなく、自分の強みをコミュニケーションにどう生かしていくか、という戦略が結構多かった印象です。
ところで、本書では著者の過去の会話や体験談が紹介されますが、その話の至る所で「自分は内向型なんだよね、、、」「わたしも!」のような会話が出てきます。わたしは実生活でそんな話題が出たことがほぼないんですが、海外ではそんなに日常的に外向型・内向型が会話のタネになるんでしょうか、、、?気になります。笑
おすすめな人
本書をすすめるとしたら、「内向型なりの人との関わり方を知りたい!」という人にお薦めします。
というのも、本書の著者はマーケティング等、いわゆる花形の職場で生きてきて、登壇やスピーチを数えきれないほどこなしている方だからです。そんな、世界中の人と関わってきた著者だからこそ、どんなふうに人間関係を作ると自分が疲れず、なおかつ糧にできるか、ということを良くわかっておられます。
ですから逆に「内向型だからできるだけ人と関わる以外の部分での強みを発揮する方法を知りたい!」というモチベーションで読むと、なかなか期待外れだった、という感想になるのではないでしょうか。
3つの学び
本書で得た学びを3つ挙げるとすると、下記のようになります。
- 傾聴力を大事にする
- コミュニケーションの前に分析し、ある程度準備してから臨んでみる
- 内向型は意外とプレゼンやスピーチが得意
傾聴力を大事にする
内向型の人は、自分から話すのが苦手な分、人の話を聞くのが得意なんですね。
よく「傾聴は大事だ」と言われ本まで出版される世の中において、話を聞く、という点において内向型はアドバンテージを持っていることになります。
この力を活用すれば、
- 周囲で何か困っていることがないか聞き、改善点がないか考えてみる
- アイディアマンな同僚の話を聞き、分析して実現可能な範囲までもっていく
- 会議で話を聞き、議事録を取ったりまとめたりしてみる
等々、ただ聞くだけにとどまらず、いろいろと発展させていくことができます。
ただ話を聞くだけでは生まれるものは少ないですが、この力をもって他に拡張していく可能性が広がっていくというのが良いですね。
コミュニケーションの前に準備する
内向型の人は、突発的なコミュニケーションが苦手な人が多いです。なので咄嗟に話しかけたり話しかけられたりしても、言いたいことの4分の1も言えないうちに場が終わってしまいます(体験談)。
じゃあどうすればいいかというと、あらかじめ準備をしておこうぜ、そしてできれば自分から機会を作りにいこうぜ、という話になります。
準備の例としては、例えば会話デッキや質問事項を用意しておく、というものがあります。出席者をあらかじめ調べて気になる人を見つけておき、その人にどんなことを聞きたいかを準備する、というのがその例です。この方法は、あらかじめ予定されている集まりに行くときなどに使えそうな方法ですね。
では普段のコミュニケーションはどうするのかというと、自分から攻めてしまおう!というのが著者の持論でした。具体的な方法としては、休憩時間にオフィスを歩き、声をかけたい人に自分から声をかける、となります。「いやいやそれができたら内向型じゃないんよ」と思ってしまったそこのあなた。minもそう思いました笑。でも、突然話しかけられてあたふたするよりは良い、というのもわかる気がします。
矛盾しているようにも聞こえますが、言いたいことを言えるようにするためにどうするか、という考え方が現れた面白い考え方だなと読んでいて思いました。
内向型は意外とプレゼンやスピーチが得意
意外ですよね。
でも、コミュニケーションには事前準備をして臨もう、という考え方に似ていると思いました。
要は、内向型は分析や用意が得意なため、事前にいくらでも練習や修正が効くプレゼンやスピーチは意外と平気、というわけです。
確かに、プレゼンをするためにテーマを決め、データを用意してスライドを作り、原稿も作って実際に練習をして、、、と作業を眺めてみるとあら不思議。内向型の人間が得意だとされる内容がほとんどです。
実際に登壇するとなると、内向型に声がかかるのかとか、そもそも登壇すると決めて踏み出すまでにまた時間がかかるものですから、そう一筋縄でいく問題ではありません。でも、「内向型=引っ込み思案=発表や登壇なんてもってのほか」というイメージがあったため、「実は得意かもよ?」という視点は興味深かったです。
さいごに
minのMBTIはISFPです。
内向型なわりに分析仕事が苦手だったり、良く忘れ物をしがちで「内向型だけど用意周到じゃないぞ?」と読みながら思っていましたが、コミュニケーションの部分に関しては著者の考え方がすごく響きました。
これから年末年始・年度末と、比較的人と関わる機会が増える季節になります(自分比)。この機会に人との関わりをよくしていきたい、とお考えの皆様。ぜひぜひ読んでみてくださいませ。
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