今回は「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」を読んだ感想です。
2023年10月以降に読んだ本はブクログの本棚に記録しています。よければこちらもご覧ください~。
ざっくり感想
この本は、知人に薦められて読み始めました。
全体としては、アドラー心理学をかみ砕いて、鉄人と青年の対話形式として説明する構成です。
ただこの青年、全体を通して哲人に結構激しめに反駁・論破しようと試みる、ちょっと攻撃的な面があります。そのため、読んでいて多少消耗しました。とはいえ後書きによると、ソクラテスと議論する青年も、徹底的に反駁していたとのこと。この激しめの議論も、著者からすると意図的なものなのかもしれません。
気づきを3つほど
この本を読んで得たものは結構多かったですが、厳選して3つ挙げるとするとこういう感じになります。
- 課題の分離
- 他者への貢献
- その刹那を生きる
1つずつ説明してみます。
課題の分離
要するに、自分にどうにかできる部分だけを考えよう、ということです。
例えば、自分の上司がとても横暴な人で困っているという悩みがあるとします。わたしはこういう時、「あの上司に嫌われないように行動しないと評価が下がるかも」「あの考え方、どうにかならないんだろうか」のようにくよくよ考えがちです。
ですが前提として、そもそも他者が働きかけたところで、その上司の性格をどうにかするかはその上司次第であり、自分にどうにかできる問題ではありません。
もし自分にできることがあるとすれば、それとなくフィードバックをしてみたり、他の誰かに相談してみたり、ということになります。それをするかどうかは自分次第です。そしてその結果、その上司がどう行動するかはその上司次第。
冷たいように感じますが、そうやって自分にできることを取り組み、その結果周りがどうなるかは周り次第であると割り切っていくことで、人間関係的な悩みは少し減るのかもしれません。
他者への貢献
他者へ貢献をすることで、自分の価値を感じるようになるとアドラー心理学は説いているそうです。
よくわたしは、「自分が何かをしてあげたんだから周りはそれを返して然るべき」「してもらったんだからしてあげないと」のような、見返りを基準に考えてしまいます。ですが、それは承認欲求です。
承認欲求の怖いところは、自分の価値判断を他者に求めてしまうという点。したがって、他者に気に入ってもらえるように行動しないといけなくなります。その果てに、他者が少し気に入らないことを自分がしてしまったらどうなるか。他者から価値を感じてもらえなくなり、終わってしまいます。そうならないように周りを気にして生き続けることは、きっとしんどいに違いありません。
それよりも、「自分は周囲にこういうことをしているんだ」「今日も生きてすごい」のように、自分の存在や行動を自分で認めてみる。その場合、価値判断の基準は自分になるので、自分のことさえ認められれば、それだけで価値を感じられるようになります。
その刹那を生きる
今の自分に焦点をあて、今の自分にできることをやろう、という意味です。
この年まで生きてると、何となく先を見通せるような気分になることがあります。また、社会情勢もなかなか不安定ですし、将来が不安になることもたくさんあります。
この本によると、そうやって人生を線でとらえるのではなく、点がつながったものとして考えると良いのだそう。
何か目標があるときに、目標を達成した状態を100%とすると今の状態は60%だな、として登山のように考えてしまうと、100%に満たない自分との比較をしてしまうため、を認めるのが難しくなります。いつまでも達成できない状態に不安を抱えることになるかもしれません。
それよりも、今の自分の状態を認めて受け入れて、この瞬間の自分に一体なにができるのか。そうやって目の前のことに真剣に取り組んでいこうね、というのが3つめの気づきでした。
最後に
初めて出会った考え方が多すぎて、うまく記事としてまとめられたかどうか自信がありません。。。それくらい情報量の多い本でした。
わたしは他者にだいぶ影響を受ける、しかもネガティブなタイプの人間なので、これらの考え方に則って生きられるようになるには、たぶん相当の時間がかかります。
実際、この本でも人間が生き方を変えるには、それまで生きてきた時間の半分はかかると書いてありました。わたしは25歳なので、生き方を変えるには12年ほどかかる計算になります。ひええ。
この競争社会では、なんでもかんでも人と自分を比べるなんてすぐにできてしまいます。だからこそ、今の自分を受け入れ、せめて自分くらいはそれを褒めていくことが大事なのかなと思いました。
この考え方をものにできれば、わたしはきっとポジティブになれるんでしょうね。変えていきたいです。
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