先日、AWSのソリューションアーキテクトアソシエイトの試験(SAA)に823点で合格しました。AWSの認定試験を受けるのは今回が初めてでしたが、5月末からの約1か月の勉強で無事に受かることができました。自分の合格体験記をまとめてみたいと思います。
勉強開始時の状態
- AWSの認定試験を受けた経験はない
- 当然クラウドプラクティショナーも持っていない
- AzureとOCIの初級資格は持っている
- AWSは、Webエンジニア時代にEC2やS3といった基本的な部分を業務で1年ほど触っていた
受験の動機
端的に言うと、業務時に説得力が上がるからです。今はIT資格がものを言う業界にいるため、いずれAWSの資格を取らないといけないなあと漠然と考えていました。
今回受験に踏み切ったのは、上司に「取ってね。よろしく。」と言われたからですが、それがなくてもいずれは受験していたと思います。
クラウドプラクティショナーを飛ばした理由
AWSは多少触ったことがあるし、いけるかなと思ったからです。受験後の今でも、業務で少し触ったことがあり、触った部分の全体像を漠然とでも理解できているなら、すっ飛ばしても大丈夫だろうなという考えは変わっていません。
勉強時に気を付けていたこと
クラウドプラクティショナーも一読しておく
クラウドプラクティショナーはAWS認定資格の土台として位置づけられている試験なため、やはりその範囲は一度目を通しておくべきです。このステップを踏むか踏まないかで、その後のSAAの参考書読みの効率が変わると思っています。
教材は最新・または頻繁に更新されているものを使う
IT業界は進歩が爆速な業界で、それはクラウドにおいても同様です。数日あれば新機能が追加されたりサービス名が変わったりするなんて日常茶飯事なので、その速度に追い付けている教材を選ぶのが吉だと思っています。
その点を考えると、例えばUdemyの教材やネットの模擬試験は、比較的更新が多くてありがたかったです。一方、書籍もアソシエイトレベルなら4~6か月に1回は新しい本が出たり、版が新しくなっている印象がありました。
問題演習に傾きすぎない
問題演習を重ねてパターンを身に着けたら大丈夫、という考え方もあるようですが、個人的にはそれだと運要素が大きくなると思いました。実際に受けた試験では、問題演習で解いた問題と同じものは2~3個程度しか出題されておらず、演習に頼りすぎるのは良くないという直感は正しかったです。
そもそも、問題というのは、あるサービスを特定の角度から見て作られるものです。同じ問題を何度も解けば、その角度からみたサービスには強くなれますが、それ以外の角度から問題が出題されれば、わからなくなってしまいます。要は、サービスの全体像を把握しにくい、ということです。もちろん、大量の問題を解けばいずれは網羅できるかもしれませんが、それは負担がかかりすぎます。
そういう意味で、演習をただ繰り返すというのは、逆に効率が悪いなと思いました。
試験ガイドを確認する
AWS認定試験には試験ガイドというものがあり、テスト範囲のサービスがずらりと並べられています。
わたしは、Udemyの問題を解く中で出会ったサービスで参考書に載っていないものは、ガイドに記載があるかを確認していました。もし記載があるなら参考書に頼らずに学ばないといけないし、記載がないなら捨てても良い問題だと判断できるからです。
今回はできませんでしたが、もし時間があるなら、ある程度演習を進めた状態でガイドを一読し、知らないサービスが載っていないか確認すると、より自信がつくと思いました。
ちなみに、ホワイトペーパーやブラックベルトといったものは、今回は特に手を付けていません。
勉強方法
使用した教材と勉強方法を挙げてみます。
情報収集
まず何といっても情報収集です。合格体験記をいくつか読み、勉強の方針を考えました。
クラウドプラクティショナー本→SAA本→Udemyの順に進めるのが良さそうだと、この段階で決めました。
クラウドプラクティショナー本
私は、以下の参考書をよみましたが、正直よほど古くなければ、何を選んでも問題ないと思います。SAAを受けると決めた後、まずはこちらを1周読みました。
AWS教科書AWS認定 ソリューションアーキテクトアソシエイト テキスト
次に、こちらを読みました。選んだ基準はズバリ新しさです。こちらは、2024.4に出版されたものであり、受験を決めた2024.5時点では最新の参考書でした。各章末に5題ずつ演習問題があり、1回分の模擬試験や豊富なハンズオンもついていたりと、結果的に内容が充実していて、受験当日までこの参考書にお世話になりました。
進め方としては、こんな感じで進めました。後から考えると、手順4は模擬試験や、後述のUdemyの後に回しても良かった気がしています。
- まず1周読む。問題は解かない。
- 2周目を読む。章末問題を解きながら読み進める。
- ハンズオンに一度チャレンジする。
- 3周目を読む。章末問題を解きながら進める。
- 付属の模擬試験を1回解く
- 後述のUdemyの進みに合わせて模擬試験を解きなおす
ところで、わたしは目次や索引の利便性と効率を求めたため、参考書として書籍を選びましたが、より視覚から情報を得るのが得意だったり、本より動画派であるなら、動画教材を選んでも良いと思います。
【SAA-C03版】AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
上記の参考書をある程度使った後、いよいよ問題演習に手を付けました。今回選んだのはUdemyの教材です。ある程度問題が更新されていそうなところと、会社が契約しているUdemyを使ったため、お財布が痛まないことが選んだ理由でした。
使った感想としては、問題を解くときに、なぜその選択肢が正解なのかを説明できるように演習するのが大事だと感じました。というのもこの問題集は、本試験と問題の雰囲気が違うためです。ただ、それぞれのサービスがどういった役割を果たすものなのかを覚えるための問題として使うなら有効でした。
進め方としては、こんな感じで進めました。問題1と2を3周ずつ、3~6は2周ずつしました。後半が2周だったのは、単純に時間がなかったからです。
- 問題を解く
- 1周目と2周目は、間違えた問題もそうでない問題にも、解説に目を通す
- 間違えた問題に関わるサービスついては、参考書も読み直す。正解した問題も1周目のときは参考書に戻る
特に大事なのは、2と3のステップです。ここで、サービスの全体像をつかめるよう担保しています。何度も参考書に戻り、同じ記述に何度も目を通すことで、頭に刷り込んでいきました。
総勉強時間
総勉強時間は50時間9分でした!
測ったかのようにちょうど50時間くらいですね。
期間は1か月で、大学院と両立しながらだったので、勉強時間に対して勉強期間が長くなったようです。
受験当日
今回はテストセンター受験にしました。住んでいる場所が、時折回線が遅くなるので、その辺りに煩わされずに受験したかったからです。
テストセンターでは、音が気になってしまったのですが、備え付けのイヤーマフを付けたら気にならなくなったため、イヤーマフには感謝の気持ちでいっぱいです。(ちなみに、テストセンターに自前のイヤーマフを持ち込むことはできません)
実際の試験の感想
直前に不合格体験記を読んでしまったため、一抹の不安を覚えながら本番に臨みました。問題の内容は、パッと回答できる問題が2割ほど、じっくり考えて回答できる問題が3割ほど、不安すぎて見直した問題が5割ほどでした。
AWSの試験は見直しフラグを立てることができるのですが、フラグ大活躍です。
時折「そんなサービス知らん!」というものも出てきました。知らないサービス名って、ひっかけるための架空のサービスなのか本当にあるサービスなのか、まったく判断つかないですよね、、、
結果発表まで
結局、受験後は手ごたえがあるようなないような、、、の状態で会場を後にしました。それからは不安すぎて、AWS認定のマイページとCredlyを30分おきに確認するなど、そわそわしながら過ごしていました。
結局結果が出たのは19:15でした。まずCredlyからCongratulation!というメールが届き、ほっとしながらマイページでスコアを確認しました。
点数は823点でした。思ったより高いな、、、?と嬉しいが入り混じった気持ちになりました。多分、回答に迷った問題は、採点対象じゃなかったものが多かったんでしょうね。
全体を通して
結果的に合格できて素直に嬉しいです。
とはいえ、上司からの指令は「プロフェッショナル(SAP)を取るんだよ」だったので、AWS認定試験受験の旅はまだ終わらなそうです。早速情報収集を始めていこうと思います。
参考リンク集
合格体験記
- AWS認定試験(SAA)の合格に100時間かかった話 #AWS – Qiita
- 【2ヶ月で合格】AWS SAAの勉強方法・勉強時間 – こんこんブログ (chanconblog.com)
- AWS SAAとは、概要から未経験(CLFなし)が1ヵ月100時間で合格した勉強法までを解説 | ネットワーク・インフララボ AWS SAAとは、概要から未経験(CLFなし)が1ヵ月100時間で合格した勉強法までを解説 (infla-lab.com)
試験ガイド
他の試験の体験記
2024.2にAzureのAZ-900を受けた体験記もあるので、良ければ読んでやってください!