【OMSCS】CS6603 AI Ethics, Society (AIES)を終えた感想

いろいろあって久しぶりの投稿になりました。

2024年4月でCS6603のAI Ethics, Societyを受講し終え、無事に成績も出たため、久しぶりに感想記事を書くことにします!

目次

全体的な感想

このコースは、AIにかかる倫理や法律と、AIが社会に与える影響とその緩和策について学べる授業です。普段、IT業界で働いていると、開発やそれに関わる施策を進めるだけで精一杯になってしまい、その向こう側について考える機会はありません。でも、確実に今までの社会とは変わっているわけで、具体的に何がどう変わり、どこに危険がいっているのかということを、せめて頭に入れておくべきです。そういうことをこのコースを受けて知ることができました。

個人的にどきっとしたのは、「荷物をロッカーに預けたり、お金を銀行に預けるときは、必ず返却されるということを期待する。でも、個人情報についてはどうなの?」(意訳)という問いかけでした。もう、何かのサービスを利用する際に情報登録をするのはごく当たり前になっていて、そこに危機感はあれど、情報が財産であり返却されるべきもの、という発想はありませんでした。

将来的には、あらゆるデータが経済活動等に利用されることに誰も違和感を持たなくなっている世界が来るらしいですが、そこにどう至るかによって、いろいろ変わるんだろうなと思いました。

コースの性格としては、文系寄りで、厳格という言葉が似あうと思います。AIに関する倫理や法律、事件等を学び、それがどういうものか、どう思うのか、どんな対策が取られているか、ひたすらアウトプットしていく授業でした。

おすすめな人

OMSCSには珍しい文系寄りの授業で、コードを書くよりもレポートに費やした時間の方が圧倒的に多かったです。なので、コードを書くためにOMSCSに入ったんだ!!というような人には不向きかもしれません。

ですが、一度は倫理的な側面から業界を見たい人には強くお勧めします。また過去には、コードを書かずにすべてExcelで突破したという猛者もいるそうで、プログラミング初心者にもおすすめかもしれません。

とはいえ、どうしても課題にはAIをいじるような場面(というよりもExcelよりAIの方が楽な場面)も出てくるわけで、できれば、AIの基礎知識とPythonの読み書きを身に着けておくと、苦労は少なると思います。

課題やテストなど

ここからは、どんな課題や試験があったのかについて、軽く触れていきます。

Case Study

Case Studyは、過去に実際に合った事例や、創作のケースが紹介され、それについて自分が思うことを文章にする課題です。できた文章をディスカッションフォーラムに投稿します。投稿が終わると同時に他人の投稿も読めるようになるので、2人以上に返信し、考えを深めていきます。

お題としては、AIによりローン審査に落ちた事例や、Facebook等の事例も出てきました。それらについて、何が良くないのか、誰が良くないのか、どうすれば良いのか等、毎回3~5の質問が与えられ、それに回答していくという形式です。基本的に、事例はすべて倫理的によくないという観点で紹介されるため、質問もかなり誘導尋問的です。

基本的に、お題に対して各個人がどう思うのかということに主眼が置かれるため、採点は全く厳しくなかった印象があります。

全部で6回ほどCase Studyがありました。

Exercise

Exerciseは、体験の意味合いが強い課題でした。何かのツールを実際に使ってみたり、何かの研究を実際にする際にどういう風にサンプリングするかを考えたりしました。使った結果や考えた結果をディスカッションフォーラムに投稿して終わりです。

この課題は、ツールを正しく使うことさえできれば全員答えは同じになるため、採点はわかりやすかったですし、難易度もそれほどでした。ですが一回だけ、アメリカ本土に住む人にしかアクセスできないツールを使う課題があり、海外勢にハードルが高い課題もありました、、、。TAに相談することで無事に解決したので良かったのですが、あれは少々頂けなかったです。

ここで体験したツールを後々の課題で使うこともあったため、その練習といった意味合いが強い課題でした。

こちらも、計6回ほど出題されました。

Homework Project

こちらは、手を動かしながら理解を深めていく課題です。プログラミングが好きな人たちにとっては、貴重な貴重なコーディング回だったかもしれません。

実際にAIを動かしてみたり、各個人の広告データを調べたりと、いろいろ触っていきます。その結果をレポートにまとめて提出しました。

難易度は、個人の習熟度によってかなり感じ方に差が出ると思います。それこそPythonや各種AIツールを使い慣れている人には、赤子の手を捻るような難易度だったことでしょう。おそらく入門レベルでしょうし。一方でそうでない勢にとっては、単純作業に苦しんだり、AIツールを動かすのに苦労したりと、それなりに時間を取られるような課題でした。

とはいえ、しっかり各ステップのお題に答えてツールを動かし、結果をきちんとレポートにまとめさえすれば、点数は十分とれます。

こちらは確か計5回の出題でした。

Written Critiques

完全なるレポート回です。数ある課題の中で、唯一ページ数制限が設けられ、きちんと体裁を整え文章を書かなければならない機会でした。

お題自体が難しいわけではないんですがね、、、。

何が大変かというと、この課題では、ニュース記事や論文等の根拠を探し、それを提示せにゃならんかったのです。当然英語で。日本語で調べて記事を突きつけたかったけれど、そもそも日本語記事がなかったり、あったとしても文字化け等でおそらく採点者には読めないので致し方ありませんね。

そんなことをブツブツ言いながら、大学生の時に受けた音楽論の授業で書いた最終レポートの大変さを思い出しつつ、白目になりながら書き上げました。

こちらは、2回ほど出題されました。

Final Project

最終課題にして、Homework Projectの強化版です。このクラスの中で、唯一グループワークが認められる授業です。それだけあって、課題の量もなかなかボリューミー。今までの課題でこなしたことの集大成がばっちり求められました。

わたしは、同じく日本住まいの方からメールで連絡を頂き、2人で課題に取り組みました。けれど私はどちらかというとAIツール系の扱いが苦手で、慣れが必要な部分に関してはだいたい相手がこなしてくれました。私は、ツールを使うけれど簡単な場所と、データを探したりお題の一問一答部分に回答したりする辺りを担当しました。

一方で、この課題をソロで終わらせた人も相当数いたと思われます。ディスカッションフォーラムやDiscordでそういう人が多かったので、、、。

こちらは、学期末に1回出題されました。

Midterm Exam

中間試験です。こちらは、今期からクローズドノート、つまりはカンニング禁止になりました。今まではカンニングOKだったのになぜ、、、。

泣いても笑ってもその事実は変わらず、ならば覚えるしかない。

幸いなことにというかなんというか、事前に「動画講義のこの部分とこの部分が出るよ~」と、あらかじめTAがアナウンスしてくれるシステムだったため、覚える範囲は狭くて済みました。

ですが、苦労したのは何といっても、アメリカの法律名!なぜ法律名に年代が入っているんだ!これはばっちり試験範囲に入っていたので、必死にブツブツ唱えながら覚えました。同居人にはさぞかし迷惑だったことでしょう。すまん。

難易度的には、覚えていれば大したことはない、という程度。中には、説明を求められる問題もあり、つたない英語で頑張りました。

Final Exam

最終試験というからには試験だと思うじゃないですか(?)

違いました。

これはレポートです。

おかしいと思ってたんですよ。試験期間は1週間ありますから頑張ってください!こちらはカンニングOKです!というアナウンス。

1週間??

はい、正しく1週間かかりました。要はWritten Critiqueの強化版です。

難易度もそれなりにあり、灰のようになりながら書き上げました。

以上。

成績と費やした時間など

スクショ取り忘れたので詳しい点数は忘れましたが、99.6点くらいで無事に通過しました!ありがたい。

今期は途中まで勉強時間のログを取っていたのですが、週あたりでおよそ10時間は取られていました。課題によってはもっとです。

今までの記事

途中までは週ごとに記録を取っていたので、その記事たちを紹介します。

最後に

これで2コース受け終えました!

ふう。

さて、もう始まっていますが、2024夏はCS6300 Software Development Processを受講します。

前回の感想記事も投稿しているので、興味がある方はぜひ~

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この記事を書いた人

20代の元Webエンジニア。
海外大学院体験記や読書ログなど、日々の学びをアウトプットしていきます!

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